走り屋が乗っていたレーサーレプリカとは

レーサーレプリカ

レーサーレプリカとはレース専用マシンを模して、公道でも走れるようにしたもの。
バイクの醍醐味である疾走感や加速感を最も体感できる車種といえるね。
山道や峠道などのワインディングを楽しむには最適なバイクで、レーサーレプリカでしか味わえない世界があると思っている。
今のスポーツバイクは4サイクルの大排気量エンジンを積んだスーパースポーツがメインだけど、一昔前までは250~400ccのエンジンを積んだレーサーレプリカが主流だった。
当時の最新技術を投入して毎年のようにアップグレードされた車種は、今のバイクにはない魅力でいっぱいだと思うんだ。女の子の走り屋も当時は多く乗っていたなあ。
発売されていた当時は頑張ってバイトして何とか買えたけど、旧車ブームによって全体的に高くなっていて、程度のいい中古は新車より高くなっているのは複雑な気分。
ちょっと前までは買えないこともなかったんだけど。

レーサーレプリカブームに火をつけたガンマシリーズ

レーサーレプリカの火付け役となったのがスズキのRGγ(ガンマ)シリーズだ。
1983年にデビューしたRG250γは、量産車として初めてアルミの角パイプフレームとフルカウルを採用し、乾燥重量131kgの軽量な車体。
そこに自主規制上限の45PSを発揮する並列2気筒エンジンを搭載し、世界グランプリ82年シーズンの王者、フランコ・ウンチーニが乗ったRG500γのデザインを模した殻張りで発売された。
なんて、当時のバイク乗りは公道でレース用のマシンが乗れるなんて聞いたら、レースに興味がなくても飛びつくよね。
そこから他メーカーも追随して、レーサーレプリカの製作に力を入れたほどだ。
当時のバブル景気とバイク人気が重なって、高価なはずのレーサーレプリカが飛ぶように売れ、峠やサーキットには多くのレーサーレプリカが走るようになった。

バブル崩壊でレーサーレプリカも終焉

しかし、バブル崩壊とともにレース活動が下火にるとレーサーレプリカブームも1990年代中盤には終息してしまう。
1990年にカワサキがゼファーを発売。Z1/Z2を再現したネイキッドはブームになる。1995年にはビッグスクーターがブームになり、レーサーレプリカにピリオドを打ったのだった。
そして、そして排ガス規制により2ストロークマシンが絶滅。1999年を最後に250cc2ストロークマシンの市販車は絶版となり、中古でしか手に入らなくなってしまった。